「枝葉と根幹の話(複合的俯瞰視法)」
「枝葉と根幹の話(複合的俯瞰視法)」
物事を見極める上で最も大事なことのひとつに”知識”や”経験”がありますが
知識や経験は偏見に偏るクセを持つために安易に考えるのは危険です。
一方向だけの考え方は、真実を屈折して見せたり まったく異なる答えを真実だと
捉えてしまうかも知れません。 そこで簡単に例をとって説明します。
「容疑者は、前科者A氏と警察官B氏」の話です。 ある日、犯罪事件がおきました。
たくさんの目撃情報や証拠品などから容疑者が2人に絞られました。
容疑者の特徴は、1人は以前にも窃盗で捕まり前科のあるA氏。
もう1人の容疑者は、署内でも仕事面の評価の高い警察官B氏。
多くの方は、これだけの情報で「犯人は前科者のA氏だ」と考えるでしょう。
それは世論(あなた)の知識や経験で判断されるものであって、まだ事実かはわかりません。
しかし世論では大多数の人が犯人はA氏だと決めつけるかも知れません。
ここでの知識や経験は、
「一度、犯罪を犯した者の再犯率は、初犯よりも高い確率で起こるはず」
「社会的地位では警察官のほうが高く、むしろ法や秩序を守る存在がそんなことをするはずがない」
そう考えるのが確かに一般的です。
しかしこれこそが結果(枝葉)だけに基づいた見解なのです。
しかしそれだけで決めつけるのは早とちりと言わざる終えません。
ここで情報(枝葉)を付け加えます。
A氏は、実は本当に窃盗を起こした兄弟をかばって罪を受けた身代わりの前科者。
B氏は、調査を進めると押収品や金品を不正に横領/着服していた闇に手を染めた警官。
ここまで来るとどうでしょう?
こういったことは現実には起きにくいかも知れませんが
ここまで情報が付け加えると世論は逆転します。
あとは生い立ち(根幹)も付け加えだめ押ししましょう。
A氏は、もともとNGOなど社会貢献活動で汗を流す複数の会社を持つ代表であった。
B氏は、実は裏組織の人間で警察内部の情報を諜報するためのスパイであった。
こうなると世論の答えは決定的でしょう。
しかし、複合的俯瞰視法でいうところの決定はここでも判断はしません。
真実を見極めるために、究極的に事実を追い求めます。
Aという情報があってもBはないか?Cはないか? はたまた全く逆の地点の意見や情報はないか?
さらにそこから突き詰めていくところにやっと意味が見出せるのです。
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